お客様の声は、思い立った日には集まらない

お客様の声は、思い立った日には集まらない

ホームページに「お客様の声」を載せようとして、手が止まったことはありませんか。載せる枠は決まっているのに、中身が無い。過去のお客さんに今から頼むのも気が引ける——ここで止まったまま、枠だけが空いているサイトをよく見ます。

集まらない理由は、頼むのが下手だからではありません。思い立った日に集めようとしているからです。声は、集める仕組みを先に作った人のところにしか貯まりません。

なぜ後から頼むと集まらないのか

お客さんの満足は、驚くほど早く薄れます。買った直後・使い始めた直後がいちばん高く、そこから下がっていく。半年前のお客さんに「あのときどうでしたか」と聞いても、返ってくるのは「よかったです」の一言です。それは載せても効きません。

もうひとつ、後から頼むと頼む口実がありません。用事もないのに連絡して感想だけ求めることになる。だから気が引けるし、相手も身構えます。

先に決めるのは「いつ頼むか」

文面より先に、頼むタイミングを決めてください。手渡す・納める・施術が終わる——お客さんとの用事が自然に終わるその場が、いちばん受けてもらえます。用事のついでなので、頼むほうも構えずに済みます。

その場で書いてもらえないなら、その場で「あとで一言いただけますか」とだけ伝えて、当日か翌日に送る。ここまでを「いつもの手順」に入れてしまえば、思い出す必要がなくなります。

聞くのは3つだけ

「ご感想をお聞かせください」の一問は、いちばん書きにくい質問です。何を書けばいいか分からないので、返ってくるのは「よかったです」になります。分けて聞いてください。

  • 頼む前、何に困っていましたか
  • いくつかある中で、うちに決めた理由は何ですか
  • 実際どうでしたか

読む人が知りたいのは3つ目だけではありません。1つ目と2つ目こそが、これから頼もうか迷っている人にとっての「自分と同じ人だ」という手がかりになります。

載せる範囲は、聞くときに決めておく

あとから「載せていいですか」と聞き直すのは、頼むのが二度手間になるうえ、断りにくい聞き方になります。最初に選んでもらってください。

  • お名前を出してよい
  • イニシャルなら出してよい
  • お住まいの地域と年代くらいなら出してよい
  • 社内で読むだけにしてほしい

いちばん下を選ばれても、それはそれで収穫です。載せられない声は、直す材料になります。

そのまま使える頼み方

長い文章は要りません。この程度で通ります。

本日はありがとうございました。
これから同じように迷っている方の参考にしたいので、よろしければ3つだけ教えていただけませんか。ひとことずつで十分です。

1. ご依頼の前、どんなことでお困りでしたか
2. うちに決めた理由は何でしたか
3. 実際にいかがでしたか

いただいた内容は、ホームページに載せさせていただくことがあります。
お名前は「実名/イニシャル/地域と年代のみ/掲載しない」から、ご都合のよいものをお選びください。

載せ方は、抜き出して短く

もらった文章をそのまま全文貼らないでください。長い塊は読まれません。いちばん効く一文を抜き出して大きく置き、その下に短く全文。誰の声かは「40代・長野市・イニシャル」程度で十分伝わります。

言い回しは直さないこと。整った文章にするほど、書いた人の顔が消えて、こちらが書いたように読まれます。誤字だけ直して、あとはそのまま置く。

うちにも、まだ1件もありません

正直に書くと、このサイトにもお客様の声は載っていません。仕事はしてきましたが、その場で頼む手順を持っていなかったので、貯まらなかった。ここに書いたのは、うまくいっている人のやり方ではなく、集まらなかった側が原因を分けて考えた結果です。

だから今は、文面と聞く3問と掲載範囲の選択肢を先に用意して、次の仕事の終わりに使うところから始めています。声が無いのは実績が無いからではなく、受け取る器が無いから——これが分かっただけでも、枠が空いている理由には説明がつきました。

今日やること

お客様の声のページを作るのは、あとでいい。今日やるのは頼む文面を1つ作って、いつ渡すかを決めることだけです。次のお客さんが1人目になります。

赤尾 惟行

赤尾 惟行 (Koreyuki Akao)

Webエンジニア / Webコーダー

長野在住。元デザイン事務所Web担当。デザイナーさんの「ちょっと困った」を一緒に解決するWordPress制作者です。

Webエンジニア ◀︎ フリーランス ◀︎ デザイン会社 ◀︎ デイトラ ◀︎ 介護福祉士 ◀︎ 某焼肉チェーン店長

趣味:英語・音楽・コーディング