自分のお店や会社のホームページを開いて、どこかに自分の顔写真が載っているか、見てみてください。
お店の外観、料理、商品、作業の様子。写真はたくさんあるのに、やっている人の顔だけがない。そういうホームページは珍しくありません。照れくさい、載せるほどのものではない、と思って外している方も多いと思います。
今日は、その1枚が思っているより早く、強く効いているという話です。
人は、顔を0.1秒見ただけで「信頼できそうか」を決めている
2006年に、アメリカの大学で行われた実験があります。知らない人の顔写真を、0.1秒・0.5秒・1秒と、ごく短い時間だけ見せて、「この人は信頼できそうか」などを答えてもらいました。
結果は、0.1秒見ただけの答えが、時間をかけてじっくり見たときの答えとほとんど同じでした。見る時間を延ばしても、判断そのものはあまり変わらず、自信が強くなっただけでした。調べた印象(魅力・好感・能力など)の中で、この「短い時間でも同じ答えになる」傾向がいちばん強かったのが、「信頼できそうか」でした。
ホームページに当てはめると、こうなります。訪れた人は、文章を読むより先に、顔を見て「この人に頼んで大丈夫そうか」の見当を付けています。そして、顔が載っていなければ、その見当を付ける材料がありません。
頼む前の人が知りたいのは「誰がやるのか」
初めてのお店に電話をかける、初めての業者に問い合わせる。そのとき頭にあるのは、「どんな人が出てくるんだろう」という小さな不安です。
サービスの説明がどれだけ丁寧でも、その不安には答えていません。顔写真は、説明より先にそこへ答えます。大きな会社なら看板や知名度が代わりをしてくれますが、小さなお店や個人の仕事では、看板にあたるのはやっている人そのものです。
どんな写真を載せればいいか
プロに撮ってもらう必要はありません。スマホで十分です。気をつけるのは次の4つです。
- 顔がはっきり見えること。小さな集合写真や、遠くから撮った作業風景では、見る人に顔が届きません
- こちらを向いていること。カメラを見ている写真は、見る人と目が合います
- 明るい場所で撮ること。窓の近くで、昼間の自然な光で撮ると、表情がやわらかく写ります
- いまの自分であること。何年も前の写真だと、会ったときにずれが生まれます
ほかの写真と並べる場合は、明るさを揃えると、サイト全体が落ち着いて見えます。これは写真の明るさを揃える話で書きました。
写真の横には、経歴より先に「なぜやっているか」を1文
顔写真の横に何を書くかも大事です。つい「創業◯年」「資格◯◯」と、できることの証拠から並べたくなります。
ただ、人を見るときの研究では、人は相手の「能力」より先に「温かさ」、つまり自分に対して良い意図を持っている人かどうかを見ている、と言われています。
ですから、写真の横には、まず「なぜこの仕事をしているか」「どんなお客さんの役に立ちたいか」を1文。経歴や年数は、その後ろで十分です。
顔を出したくない場合
正直に書くと、無理に載せる必要はありません。顔を出すことに抵抗がある方もいますし、家族やスタッフの顔を載せるなら、本人の了解は必ず取ってください。
顔の代わりに、仕事中の手元や後ろ姿を載せる方法もあります。人の気配は伝わります。ただ、上の実験が扱っているのは顔の話なので、同じように効くとは言えません。
このサイトについて
このサイトも、トップページに私の顔写真を置いています。ただ、載せる前と後で問い合わせの数を比べた記録は取っていません。ですから「載せたら問い合わせが何件増えた」という数字は、この記事にはありません。
それでも勧めるのは、写真1枚で、費用もほとんどかからず、「誰がやるのか」という最初の不安に答えられるからです。
今日やること
自分のホームページを、スマホで開いてみてください。トップページか、お店の紹介のページに、あなたの顔が見える写真はあるでしょうか。
写真を用意できたら、ホームページを管理している人にこう送ってください。
お世話になっております。ホームページに、代表の顔写真を載せたいと考えています。
・写真はこちらで用意して、お送りします
・トップページ(またはお店の紹介のページ)の、目に入りやすい位置に置いていただけますか
・スマホで見たときに、顔が小さくなりすぎないようにしたいです
・写真の横に、次の一文を添えたいです:「(なぜこの仕事をしているか、を一文で)」
対応できる範囲と、かかる時間の目安を教えていただけますと助かります。
ホームページの文章は、読まれる前に閉じられることがあります。顔は、読まれる前に見られています。

